私がクラリネットをはじめたわけ

(これって専門的じゃないですよね?)

 
じつはほとんど初心者なんです 
     実は、ほとんど初心者かもしれません。 中学、高校、大学と吹奏楽、オーケストラ活動のなかでクラリネットの魅力にとりつかれながらも、20数年のブランクを経て、数年前、異業種交流会(勉強会「遊学堂」)のなかで生涯学習の話を聞いたことが、再びクラリネットを始めるきっけとなりました。 家の奥深くにしまっておいた楽器見てみると、タンポが虫に食われてしまって、とても使いものになりませんでした。 大学時代に使用していたマウスピースがツィンナー(#2,#3)だったこともあって、リードやリガチャーを探し出すことからも始めなければなりませんでした。 どうしてツィンナーなんて使うようになったのでしょう? それに大学時の同級生は、「リガチャーでなくてひもだったなぁ」なんて思いだしたりもしました。 
ひも(リガチャー)とカラヤン 
     そのひも(?)の友達が、いまは亡きカラヤンが大学のオーケストラに訪れて指揮したとき(もう記憶に残っている人は少ないでしょうが、目をつむって指揮するのかと思っていたら、すいこまれるような青い瞳の眼差しが印象的でした)にベートーベンの第9の1番を吹いていたこと(第3楽章でした...)を思い出したりすると、もっと一生懸命やっておけばもっと楽しかったのになぁ...。 その友達は今何をしいるんでしょうか? まだクラリネットやっているんでしょうか? などと考えつつ、昔使った楽譜や教則本を探してみると、仕事の関係での引っ越しや夫婦喧嘩(?)に紛れてその一部は、なくしてしまっていたのです。今となっては、大切にとっておけばよかったと残念でなりません。 
ツィンナーのマウスピース  
     なぜツィンナーのマウスピースを使い始めたのでしょうか? クラリネットとの最初の出会いは、中学時代の吹奏楽で、始めて買ってもらった自分のマウスピースはセルマーのHS*でした。 そのうちにクラシックの曲を聴くようになり、たぶん最初に聞いたのは、ランスロではなかったかと思います。 その後、当時(といっても30年くらい前)ゴイザー、ウラッハ、ペイエ、ケルなどがLPに復刻された(CDにではありません)のを買い集めました。 これらのレコードは、CDが全盛の今でも大切にとってあります。 だから、クラリネットの音色といえば、これらの演奏家の音色をイメージしていたように思います。 そして、プリンツ、ライト、クレッカーと聴くようになっていきました。 おっと、勿論ライスターをはずしてはいけません。 こうしてみると自分では意識していなかったにもかかわらず、自然とドイツ・オーストリアのクラリネットの音色に憧れていたのではないかと、気がついたのはつい最近のことです。 
テレビで見るクラリネットはなんかちがう 
     テレビやレーザーディスクでみるクラリネットが、自分の持つ楽器とは違うことを知っていましたが(たとえば、左手人差し指をなんでたてるのかとか、レジスターキーの形が違うとか、右手の小指キーが少ないとか)、楽器を手に取るのは勿論、目にするチャンスがありませんでした。 ひもについても、ライスターのジャケットをみてなんとなく知っていたし、ひもはリガチャーとまた感触がちがうので、好みの問題かな?なんて思っていました(友人のマウスピースはひも対応の溝つきでした、私のはリガチャー用でした)が、リードの幅や形状が小さいこと以外にもフランスタイプとはいろいろ違うことを後から(つい最近)知りました。 HOLZの会の同年代の会員(Gmさんあなたのことですよ!)にこの話をすると、ツィンナーのことや販売店(当時ムラマツ楽器で買いました)のことなど、同じことを考えていた人がいたということに驚きました(HOLZの会ではたくさん驚くことがあります)。 同年代の人にとって、当時のオーケストラとは、ベルリンフィルやウィーンフィルであったわけですから、これらの演奏家の楽器や音色に親しみを感じていたとしても不思議はありません。 
シュトイヤーのリード探し 
     そういう意味で、いまさらヴァンドレンにしたくはないし、したとしてもドイツかオーストリアタイプにしようかと迷いつつ、ツィンナーのマウスピースとともに使用していたリード探しもしなければなりませんでした。 ヴァンドレンだったら白箱か黒箱なんですが、当時はシュトイヤーのリードを使用していたこともあって、シュトイヤーのリードはいったいどこで買えるのか?ということも探さなければならなかったのです。 これって、東京近郊に住むものにとって、案外大変なことです。 ヴァンドレンの白箱や黒箱でも近くの楽器店で探すのは大変なのです。 某楽器店で、黒箱のことを聞いたら「めったに買うひとはいませんよ」と言っていました。
そしてハンマーシュミットとの出会い 
     大学時代にいったことのある石森管楽器さんに、シュトイヤーのリードがあるかもしれないと何となく訪れたのが、ハンマーシュミット(O.Hammerschmidt)を使用するきっかけとなりました。 マウスピースの内径が微妙に違うのですから、どうしても無理がある。でもヴァンドレンにはもどりたくないし...。 というわけで試奏してみると太くやわらかい音色と高音が楽にでる、など適当なリードがなかったのにもかかわらず、すぐに気に入ってしまいました。シュトイヤーのリードを買うつもりが、ハンマーシュミット(エーラー式に思い切ることが出来ず、ベーム式にしましたが...)を手にすることになってしまったわけです。 
リード調整、シュトイヤー11A(ウィーンタイプ)は半完成品 
     今度はリードの調整(現在のマウスピースはハンマーシュミット#0です)が大変でした、シュトイヤー11A(ウィーンタイプ)は半完成品で、自分で削って調整しなければなりません。 ヴァンドレン黒箱は、使えなくはないのですが、なんか違うんです。 自己流で(「傳田文夫著 シングルリードの調整法」はこのときもっとも役に立った参考書でした)調整しながら、なんとか使えるリードを見つけだしても、響きや音色が違う、トライアンドエラーの連続でした。 そんなんか、HOLZの会で小林先生に基本的な削り方をご指導していただいてから、調整が楽になりました。 それでもなお、奥が深く、まだまだ会員の皆さんと情報を交換しながら研究しなければならない状態です。 ここから先の話をお知らせするには、今少し時間をかけて経験をつむことが必要で、そのうちリード調整講座で何かお知らせできるかも知れません。 
ドイツ・オーストリアのクラリネットの魅力 
     オーケストラにあって、フランス系のクラリネットが圧倒的です。 音色や音程を厳密に考えるのなら、同じ楽器、マウスピースがいいのでしょう。 「アマチュアにあっては自分が一番好きな音色が出せればいいんです。」とは、HOLZの会小林先生の言葉です。 そして、現在は少数派であっても、少しでもドイツ・オーストリアのクラリネットの魅力を感じたら、使用してみてはいかがでしょうか? この魅力がわかる人は、クラリネットを始めたばかりの人ではなく、むしろ今の音色にあきたらない発展途上の(これからもっと上手になる)人だと思います。 20年のブランクを経て再度クラリネットを始め、楽器も変えてしまった人(私のことです)は珍しいかもしれませんが、エーラー式クラリネットも決して難しいものではないそうです。 むしろ情報が少ないというのが本当の話だと思います。 
     
さぁ! HOLZの会に参加してみませんか? 
ドイツ・オーストリアのクラリネットを中心とした
HOLZの会ではベーム式のクラリネットはむしろ少数派なのです。 
 
 


 
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