ホルツの会 お宝紹介

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Last Updated on 2000/5/9



G.マーラーの第7交響曲のパルティトゥーア

 以前からずっと投稿しようと思っていたのですが、これぞと思うものが会員諸氏から「あまりにもマイナーで誰にもその価値がわからない」と言われて、なかなか書けませんでしたので(お宝なんて往々にしてそういう物ですよね)、まずはこれならというところから。
 初回のお宝はG.マーラーの第7交響曲のパルティトゥーア(自筆譜・Sir Simon Rattleのサイン入り)です。これはアムステルダム・コンセルトヘボウがマーラー・フェストを催した時、記念出版されたもので、作曲者本人が親友だったW.メンゲルベルクに贈り、夫人の手を経てコンセルトヘボウに寄贈されたという自筆楽譜のフォトコピーです。彼ならではの指揮者への細かい注意書きはもちろんの事、非常に鮮明な紙面からはインクの濃淡までがはっきりと解るほか、細かな訂正が加えられ修正のために紙面が削られていたりオーケストレーションに変更が為されている部分など作曲者が何を意図していたかが解るような、知的興奮が味わえる一品です。
 私は同じ作曲家の第9の総譜草稿のコピー版も持っていますが、総譜と草稿という形態の違いを考慮しても格段の鮮明さでこうした事を堪能できます。 現在のマーラー協会版やフィルハーモニア版とは細部が異なった形であり、そういう意味でも価値あるものだと考えています(ラトル氏に見せた時も、細かなところを色々と指摘して「ほら、ここが違っている・・・」などと嬉しそうだったのが印象に残っています)。
 去る6月マエストロ・ラトルが手兵バーミンガム市響と東京でマーラーの第7を演奏した時、持参してサインをいただきました。既述のようにいくつかのポイントを嬉しそうにチェックして「素晴らしい!」の一言の後、自分の似顔絵を描いて“Happy!!”の文字とともにサインを。 聞くとこれがオフィシャルサインとのことで、彼のキャラクターがよく表現されたなかなかうまい似顔絵なのであります。 本人の了解を得ていないので画像を提供できないのが残念です。末筆ですがこの日の演奏の素晴らしかったことも申し添えて筆を置きたいと思います。
(98/9/14 by Hd)

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