<マウスピースとリードについて> |
Q2-1 マウスピースとリードはフランス管とどう違うの?
A: ドイツ管のマウスピースにも楽器同様ドイツタイプとウィーンタイプがあり、厳密にはそれぞれにエーラー用とリフォームド・ベーム用があります。
何れのマウスピースもフランス管のものに比べ一見して細身で尖った印象です。また、本体中央部に刻まれたヒモを巻くための溝が識別ポイントです。
特に意味はありませんが、あなたが使い慣れてきたヴァンドレンの5RVライヤーやB40などはドイツ管の樽にはゆるゆるで合いません。ドイツタイプとウィーンタイプのマウスピースは先端の開きやフェイシングの長さがかなり違うので、各々専用のリードを使用します。ドイツタイプのリードよりウィーンタイプの方が僅かに幅広ですが、それでも通常のフランス管用よりはやや狭く短いので多少音量が落ちるのでしょう。
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Q2-2 マウスピースはどこのが良いの?
A: 私にはドイツ・タイプのマウスピースのことしか解りませんが、ブランドの如何に拘わらず、ベースはほとんど独ツィンナー(Zinner)社が供給しているようです。
ツィンナーやヴリツァーからも多数のモデルが出ていますが、ホルツではツィンナーをベースにヴィオット(Viotto)という謎の数学者?が開発したモデルが人気です。L−5(エルゴ)、SM(エスエム)、P+4(ペープラスフォー)などですが、ライスターはL−5にヴァンドレンのホワイトマスターの2・1/2を付けているとの噂。SMはザビーネ・マイヤーの略です(念の為)。あるベルリンの楽器屋さんは『ザビーネ以外にSMを使っているプロなんか居ないよ』だと。プライドが許さないからか?
私は音質の上品さが気に入ってP+4を長く吹いていますが、先日ベルリン州立歌劇場のメンバーがホルツの練習に遊びに来た折に確認したところ、全員がP+4だったので大いに気を強くした次第です。ドイツ版5RVライヤーかな。
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Q2-3 ドイツ管用リードのメーカーは?
A: 比較的手に入りやすいのはヴァンドレン。ホワイトマスターはドイツタイプ用、ブラックマスターはウィーンタイプ用です。
米リコ(Rico)社からも最近結構良いドイツタイプのリードが国内発売されましたが、どちらもめったに売れないので常時置いている店は少ないかも知れません。
シュトイヤー(Steuer)は歴史の長いドイツのメーカーで、ドイツタイプ用にはS−100、800、900など5種類のカットが売り出されています。 一時ばらつきが多かったですが数年前に経営者が代わり品質も安定したようです。東京の大久保にある石森楽器さんに頼めば郵送してくれます。
私は長い遍歴の末に、先端が厚めで馬の背?が長いシュトイヤーのS−800というモデルを愛用しています。
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<ヒモとリガチャーについて> |
Q3-1 なぜリードをヒモで巻くんですか?
A: ドイツ管というと全てリードをヒモでマウスピースに固定すると思われがちですが、それはドイツタイプのことでウィーンタイプは金属のリガチャーで固定します。
ドイツタイプの音の鋭さを緩和し、ウィーンタイプの音のソフトさに芯を出すためにそうなったと解説されたりしますが、本当のところは知りません。確かにヒモで巻くと少し音量は落ちますが、各音域の音にムラが無くなり、フォルテッシモで吹いても音のピークが遠のくような気がします。また、最低音域が軽くなるなど全体としてリードが0.5近く薄くなったように感じます。「このリード音良いんだけどちょっとキツイなー」というときの救世主。
しかしながら何よりもリードを替えるのが面倒なのと、マウスピースを握ってB♭管とA管を持ち替える時などリードがずれてしまいがちなので、
最近ではドイツの奏者でも仏BG製のソフトリガチャーなどを使う人が増えているようです。それに伴い、かつてはヒモを巻き易いようにマウスピースの溝の上に付いていた土手?が、リガチャーをはめる時に邪魔になるので、最近は姿を消しつつあります。
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Q3-2 ヒモの巻き方は?
A: ヒモは慣れれば誰でも30秒以内で巻けるようになりますが、巻き方は人によって右巻き派、左巻き派に始まり千差万別で、決定版は無いようです。
最も異なるのは巻き始めの位置で、リードの横から、上から、反対側からと百家争鳴状態。
私はしばらく「リード上から左巻き派」でしたが、最近あるドイツ奏者に「リード裏から右巻き派」に転向させられました。SM女王にしろBフィルのWF氏にしろヒモの巻き方はズサンというか無頓着というか…弘法は筆を選ばないということでしょうか。
ヴリツァー純正!のヒモは1m余りで千円もしますが、ヒモなら凧糸でも靴ヒモでも何でも良く、素材によって音も変わるので一度は凝ってみるのも良いでしょう。
なお、ヒモの巻きの強さや部分的な力配分でも音が変わると言う人がいますが、私は耳が悪いのかさっぱり判りません。
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(2002/3/10 by Gm)
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